後期研修医の1日

  • 後期研修医の1日

医師3年目 血液腫瘍グループローテーション 二次救急当直あり

当院の小児科は複数の診療グループがあり、専攻医は2カ月ごとにローテーションしながら勉強しています。
現在私がローテーション中の血液腫瘍グループでの1日を紹介します。

7:30 朝の採血

入院している患者さんは10-15人程度。月水金はほぼ全員採血があり、朝のカンファレンス前に採血を行います。採血をしながら患者さんとコミュニケーションを取り、その日の体調等を確認します。

8:30 カンファレンス

まず小児科全体で休日、夜間の申し送りをした後、診療グループごとにカンファレンスを行います。血液腫瘍グループのカンファレンスでは専攻医が毎日プレゼンテーションを行い、その日の方針について相談します。

9:00 病棟業務

カンファレンスで決定した方針に沿って輸血や点滴のオーダー、指示変更等を行います。

10:30 処置(骨髄穿刺、腰椎穿刺)

血液腫瘍グループは処置が多く、週2日くらいの頻度で骨髄穿刺、腰椎穿刺(抗癌剤の髄注)を行います。小児は鎮静をした上で処置を行います。処置は指導医の先生の指導の下、専攻医が行います。2カ月間でかなりの経験を積むことができ、手技が身につきます。

12:00 昼食

処置の後は昼休憩です。院内の食堂で食べたり、コンビニで買ってきて病棟の医師室で食べたりと人それぞれです。午後の業務に備えてしっかり休憩します。

13:00 病棟業務、病状説明、外来採血等

処置前に終わらなかった業務や、化学療法のオーダー、カルテ書き等を行います。午後は病状説明を行うことが多く、担当患者さんへの説明に同席します。
血液腫瘍グループの外来がある日は、外来患者さんの採血も行います。また、午前に骨髄穿刺を行った日は、時間を見つけて検査室に標本を見に行きます。

17:00 カンファレンス(木曜)

毎週木曜は17時頃からグループ内でのカンファレンスがあります。大学院生の先生も加わり、病棟や外来の患者さんについてカンファレンスを行います。病棟の患者さんについては、専攻医がプレゼンテーションを行います。カンファレンスの後は抄読会があります。専攻医もローテーション中に1回は論文紹介を行います。

19:00頃 業務終了

木曜はカンファレンスが終わり次第、その他の曜日は病棟業務が終われば業務終了となります。翌日の採血の準備や、自分の勉強等を行います。このご時世なので大人数で飲みに行くことはできませんが、仲の良い同期や先輩と食事に行くこともあります。

これに加えて、毎週水曜は13:30から小児科全体でのカンファレンス、教授回診があります。各グループから1、2症例程度、症例提示を行います。回診後は定期的にレクチャーがあります。各グループの先生による専門的なレクチャーに加え、専攻医による小児科一般領域のレクチャーもあります。
 
  • 二次救急当直
    浜松市内は複数の病院が輪番制で二次救急を担当しています。当院も6日に1回、二次救急当番が回ってきます。二次救急の日は、3年目の専攻医が交代で救急外来専門の当直に入り、時間外受診した小児患者の対応を行います。 受診患者数は、時期にもよりますが数人~10人程度です。診察、採血等の処置を全て自分で行います。病棟当直の先生もいるので、困ったときや人手が足りないときは助けてもらいます。 大学病院というと、専門的な疾患ばかりを想像していましたが、二次救急当直では発熱、胃腸炎、気管支喘息といった一般的な疾患が多く経験できます。

当院の小児科は複数の診療グループに分かれていますが、グループ間の垣根は低く気軽に相談しやすい雰囲気です。また忙しいグループがあるときは、処置を手伝ったりして助け合いながら業務を行っています。

医師5年目 神経グループローテーション NICU当直あり

大学での小児科後期研修は、複数の科をローテートします。
神経グループローテーション中の、ある1日を紹介します。

7:00 起床、出勤

8:00 カルテチェック、病棟個人回診

8:30 全体カンファレンス

前日の当直医から受診症例、入院症例についてのプレゼンテーションがあります。必要に応じて専門医からの情報追加やfeed backをもらいます。

8:45 ローテーショングループごとのショートカンファレンス

入院患者の経過や、当日の検査方針について検討します。

9:00 病棟回診

簡潔に診察をしながら病棟を回ります。カンファレンスで予想された経過と異なるようであれば、検査や処置を追加します。

9:15 病棟業務開始

前日に装着していた脳波計の結果確認や、点滴・内服薬の調整、指示出しを行います。

10:00 筋生検の検体処理

手術室で採取された筋肉の一部を慎重に処理して検査機関に送る検体を作成します。

11:00 外来採血

小児の場合は暴れてしまうことも多く、後期研修医が血液検体の採取を行うことが多いです。痛みやトラウマが残らないように、気をそらしながら素早く穿刺を行います。

12:00 ランチタイム

若手医師室で食事を取ります。休憩時間は各自バラバラですが、運良く同じ時間に取れれば話に花が咲きます。

13:00 回診、家族への検査結果説明

小児科の場合、本人ではなく家族への説明が主となります。丁寧にお話をしながら疑問点や不安について答えていきます。

14:30 画像検査、鎮静付添

主に頭部MRI検査を撮影する際、小児は体動を抑えることが難しいため、鎮静薬を使用します。疾患の特異性、薬剤投与後に患児に起こりうる副反応について事前に予測を立て薬剤を使用します。3-4年目の医師は上級医の立ち会いのもと鎮静を行うように制度化されており、緊急時のバックアップ体制が厳重に取られています。

15:30 外来対応

かかりつけのお子さんの急変時に救急外来での対応を行います。神経グループの場合、痙攣発作や神経疾患に合併した窒息や誤嚥性肺炎などで来院されることが多く、市中病院での救急対応と共通する部分が多いように感じます。

17:30 症例カンファレンス

入院症例で相談したいイベントがあった場合や、外来の興味深い症例について上級医からのfeed backが得られます。翌日入院予定の患者がいる場合は、処置や投与薬剤の確認、方針決定を行います。

18:30 業務終了

大好きなラーメンを食べに車を走らせます。浜松にはおいしいラーメン屋さんが多い!!

  • 当直ありの場合
    EX 17:00 NICUへ。患者ごとの急変リスクや、特別な処置があるかどうか引き継ぎを行い、当直タイムに入ります。
    当院ではNICU床、GCU床が稼働しています。超低出生体重児や呼吸器合併症などのある新生児を院内出生、転院搬送問わず診療しています。2021年1月からは新しく増築された機能強化棟でより先進的な医療を提供していきます。

この他に、曜日ごとに全体のカンファレンス、研修医向けのレクチャー、他病院の小児科医とのWebカンファレンスや新生児蘇生の講習会などを行っています。